■ フォルスリール ロゴ制作
プロジェクト概要
一般社団法人フォルスリールのロゴを制作。
発達障害や不登校など、子育てに悩む保護者に向けた「回復のための居場所」を提供する団体において、
その“在り方”を視覚化することを目的としたプロジェクトです。
背景・課題
子育てにおいて「正解がない」状況のなか、
支援の多くは子どもに向けられる一方で、
保護者自身が限界を迎えてしまう構造
が存在しています。
フォルスリールは、そうした状況に対して
- 何かを教える場所でも
- 問題を解決する場所でもなく
「ただ回復していい時間を渡す場所」
という立ち位置を取っています。
しかしこの価値は非常に抽象度が高く、
一見して伝わりにくい
という課題がありました。
コンセプト
「完璧じゃなくていい、という約束」
支援する/されるという関係ではなく、
不完全さを前提に、人と人がつながる場所であること。
その思想そのものをロゴの軸としました。
デザインの意図
■ 不完全さを肯定する構造
モチーフには「∞(無限)」をベースにしながら、
あえて一部を途切れさせた形状を採用。
これは、
- 完璧でなくていい
- 欠けていることは悪ではない
- 足りない部分は誰かに頼っていい
というメッセージを内包しています。
“整っていないこと”を肯定する設計
■ 支え合いの関係性
途切れた部分は「欠落」ではなく、
他者とつながるための余白として設計。
一人で完結するのではなく、
関係性の中で成り立つ場所であることを表現しています。
■ 循環の可視化
無限の構造をベースにすることで、
- 回復
- 支え合い
- つながり
が連鎖していく状態を表現。
親の回復が、子どもへ、そして社会へと広がっていく
フォルスリールの思想を視覚化しています。
■ タイポグラフィ設計
柔らかさと知性を併せ持つ書体を採用し、
- 安心感
- 信頼性
- 過度に感情的になりすぎないバランス
を調整。
英語表記・カタカナ表記の両方に対応することで、
媒体や用途に応じた運用性も担保しています。
■ シンボルと文字の関係性
シンボルを頭文字「F」に内包する設計とすることで、
単体でも、組み合わせでも成立する構造に。
看板・Web・SNSなど、あらゆる場面での展開を想定しています。
■ 配色設計
グリーンを基調に、
- 回復
- 安心
- 再生
を表現。
さらに、補色関係を取り入れることで
「違いがあるからこそ支え合える関係性」
を視覚的に補強しています。
こだわり
- 「機能」ではなく「在り方」を伝える設計
- 抽象度の高い価値を、視覚言語に翻訳
- 強すぎず、しかし確実に届くトーン設計
- 看板・名刺・SNSなど多用途での展開性
まとめ
このロゴは、何かを解決するためのものではなく、
「ここでは、完璧でなくていい」と伝えるためのデザイン
です。
人は、満たされているときではなく、
少し欠けているときにこそ、誰かとつながる。
その前提を肯定することで、
はじめて回復と循環が生まれていく。
フォルスリールが目指す社会のあり方を、
静かに、しかし確かに伝えるロゴとして設計しました。