■ 個むすび Lab ロゴ制作
プロジェクト概要
滋賀を拠点に活動するプラットフォーム型NPO「個むすび Lab」様のロゴを制作。
人・企業・行政をつなぎ、誰もが自分の意思で選択できる社会の実現を目指す団体。
背景・課題
本プロジェクトは、彦根に存在していた施設「ウィズ」の理念を引き継ぎ、
新たなかたちで社会に価値を届けていくための立ち上げに伴うものでした。
制度としての男女差別は減少している一方で、
「女性だから」「こうあるべきだから」といった無意識の前提によって、
選択肢に見えない制限がかかっている現状があります。
実際にヒアリングの中でも、
「働きたい意思があるにも関わらず、性別によってブレーキがかかる」
「本当は違う選択をしたいのに、固定観念に縛られている」
といった声が挙がっていました。
また、活動の根底には
「出会いによって人生が変わった」という共通の原体験があり、
点だった存在が、人とつながることで線になり、
やがて道となっていく——
そうした実感が、この団体の思想の中心にありました。
コンセプト設計
「つながりから、選択できる社会をつくる」
個むすび Lab という名前には、
“個を結び、実験していく(=コラボレーション)”という意味が込められています。
漢字・ひらがな・英語が混ざる名称自体も、
多様な立場や価値観が共存する在り方を象徴しています。
このプロジェクトでは、
単なる「つながり」ではなく、
- それぞれが意思を持った個であること
- 対等な関係で結ばれること
- 出会いが新しい価値を生むこと
この3点を軸に設計を行いました。
デザインの意図
ロゴのモチーフには「三葉結び」を採用。
一本の線が交差し、三つの輪を形成する構造は、
人・企業・行政といった異なる主体が結び合い、
新たな価値を生み出す状態を象徴しています。
また、線が連続している構造にすることで、
「出会いが点から線へ、線から道へと広がっていく」
という思想を視覚化しています。
配色設計
配色は「混ざることで成り立つ」という思想をベースに設計。
原色やパステルのように特定の印象に寄せるのではなく、
異なる要素が重なり合うことでニュートラルな状態へと変化していく過程を、
グラデーションで表現しました。
また、黒と白のみでも成立する設計とすることで、
立場や属性に依存しない「本質的な価値」を担保しています。
改善プロセス
初回提案では、理念との一致や構造面において高い評価をいただいた一方で、
「やや都会的・未来的な印象が強い」というフィードバックがありました。
そこで、親しみやすさと信頼性のバランスを再設計。
- 人に見立てた構造による共感性の付加
- グラデーションによる関係性の可視化
- より直感的に理解できるモチーフの検証
複数案を通じて、最適な表現へとブラッシュアップを行いました。
こだわり
本プロジェクトでは、見た目の印象だけでなく、
長期的な運用まで見据えた設計を行っています。
- 名刺・チラシ・Web・動画など多媒体での展開性
- ステッカーなど小サイズでも成立する視認性
- 単色でも崩れない構造設計
- BtoBにも耐えうる信頼感と、個人への親しみの両立
まとめ
このロゴは、単なる団体の象徴ではなく、
「どんな社会を目指すのか」という思想そのものを可視化したものです。
誰もが自分の意思で選択できる社会を、
出会いと協働によってつくっていく。
そのはじまりとなる“結び目”として、
長く使われ続けることを前提に設計しています。